出産日までの出来事

妻のこと

僕の妻は出産時のトラブルで亡くなりました。出産は命懸けとよく言われますが、本当にそのとおりです。

これからいくつかの記事に分けて、何が起こったのか時系列で書いてきます。

今回の記事は、子供が生まれてくる日までの2,3日の出来事です。

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やってきた陣痛?

陣痛は、ほぼ出産予定日どおりに始まりました。確か夜の10時とか11時とかだったと思います。病院に電話して、急いで車に乗って病院へ向かいます。病院までは高速を使って約30分です。妻の職場や実家から近いということでこの病院を選んでいたので、僕たちが住んでいたところからは少し遠く、運転中はとてもドキドキしていました。

病院に到着し、すぐに先生に診てもらいました。しかし、そこで言われたのは・・・。

まだ子宮口が開いていません。

もっと開かないと産まれませんよ。

というわけで、そのまま帰宅することになりました。

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次こそは本当に陣痛?

家に帰った僕たちはベッドで横になりましたが、妻はずっと「痛い痛い」と戦っています。僕は一晩中、腰や背中をさすり続け、2人とも朝まで寝ることができませんでした。

陣痛の時は腰のあたりをさすってあげると少しラクになるみたいですね。

朝になり、この日はちょうど検診の日だったので、再び病院に向かいました。

そして先生に診てもらったところ・・・

これは完全に陣痛が始まってますね。。。

でも子宮口がまだ開いていない。。。

陣痛は始まっているが産まれてこないという状況で、先生から言い渡された選択は2つでした。

  1. このまま痛みに耐えながら子宮口が開くのを待つ。
  2. 麻酔で痛みを抑えて子宮口が開くのを待つ。

ただし2. の場合、当院では対応できず、いわゆる「無痛分娩」ができる病院へ移動する必要がある、とのことでした。

先生からは、体力を回復するということも考えて、2. がいいのではないか、と言われたため僕たちも迷うことなくそちらを選択しました。

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体力の回復

すぐに、無痛分娩ができるという病院に連絡を取ってもらい、OKをいただいた後、車で移動しました。その病院までは車で約1時間かかるため、看護師さんにも同乗してもらいました。かなり安心感がありました。

到着してすぐに診察をしてもらい、ベッドへ移動、夕方頃に陣痛止め(?)の注射を打って、その日は終了となりました。妻から聞いた話では、注射はめちゃくちゃ痛いらしく、叫び声をあげてしまったとのことでした。しかし、注射の効果は抜群で、それ以降は普通にラインが来たりしたので、かなり落ち着いたようでした。

僕は家に帰ってゆっくり過ごしました。

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いよいよ出産!

新しい病院で入院をスタートさせた次の日か2日後ぐらいに、子宮口は徐々に開き、ようやく出産できる態勢が整いました。

出産は15時ごろから始まりました。僕は横で立ち会いました。しかし、なかなか苦戦をしている様子で、ついには産道を広げる会陰切開まで行ったにも関わらず赤ちゃんは姿を見せません。

これを受けて先生が下した決断は帝王切開でした。

別の部屋へ分娩台のまま移動し、すぐに処置がスタートしました。この処置室は立ち会いが不可能ということで、僕は小さな窓越しに様子を見つつカシャカシャと写真を撮っていました。手術が始まってからは意外とすぐに赤ちゃんは姿を見せました。しかし、その前から考えると出産に時間がかかっていたことや、へその緒が首に絡まっていたことで、赤ちゃんは少し元気がない様子だったため、すぐに保育器に入れられました。とはいえ、命に別状はないだろうということで、僕だけ抱っこさせてもらうことができました。喜びと怖さでなんとも言えない気持ちになりました。

誕生時刻は16:59、体重3,480gの女の子です。

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出産後の様子

子供は翌日まで保育器に入れられて過ごしました。

妻は出産後、ベッドへ移動し、普通に会話をすることができました。声はいつもより小さめでしたが、笑い話もできるほどに余裕がありました。そして、僕だけ抱っこしたことを羨ましがり、「早くきちんと会いたい、抱っこしたい」と何度も言っていました。なぜなら、帝王切開で産まれた後すぐに保育器へ連れて行かれたので、きちんと見ることも触れることもできていなかったのです。

この日の面会時間を終えると、僕は子供の写真を何枚か撮り、妻にラインで送りつけて家に帰りました。

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