裁判所から突然の呼び出し

妻のこと

妻が亡くなってから2年ほど経ったある日、家庭裁判所から突然呼び出しを食らいました。

さて、何が起こったのでしょう・・・?

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家のポストに封筒が・・・

ある日、仕事から帰ってポストをのぞくと、少しふっくらした封筒が入っていました。何かのDMかと思って見てみると、そこには「家庭裁判所」の文字が入っていてびっくりしました。「何か悪いことしたっけ?」「裁判員に選ばれたか?」など色々と考えながら書類を見ると、その通達は「家事調停をするから裁判所に来い」というものでした。

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一体誰から・・・

当時の僕は、家事調停というのが何なのかも知らないので、裁判所に行くということだけでビビりまくりました。

家事調停とは・・・
家庭内又は親族間での紛争について、第三者が手続を主催して当事者間の合意による解決を目指すこと、あるいはこの手続により成立する合意そのもの。

何やら難しいですが、有罪・無罪を決める裁判とは別物で、これによって懲役刑を科されることはなさそうだったので、一安心はしつつも実際に行くまではドキドキしていた記憶があります。

そして問題は誰がこんなものを送ってきたのか、というところですが、、、申立人の欄を見てみると、妻の母親の名前が書かれていました。

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何用で・・・

何があったのかと内容を読んでみると、ざっくり以下のようなことが書かれていました。

娘が出産直後に亡くなり、しばらくは娘の子供(孫)の面倒を見させてもらっていたが、娘婿(僕)が引き取ってからは、めっきり会えなくなってしまった。連絡しても相手にしてもらえない。孫と会える機会を作ってほしい。

なるほど、僕の対応の悪さが引き起こした出来事でした。

完全にLINEブロックしてましたから。

こうして、僕と妻の両親の調停バトルが始まりました。

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いざ調停へ!

僕の作戦

僕は、向こうの態度・対応にずっと腹が立っていたので、何もなしにただ「会わせろ」と言われても、それに応じることはできないと考えていました。

  • お墓を分けようと言ってきたこと。
  • うちの親をバカにするような言葉。

などなど、こちらの言い分をしっかりと頭に叩き込んで裁判所に向かいました。

調停の進め方

調停は、

  1. 妻の両親→調停委員:主張を伝える
  2. 調停委員→僕:先方の主張を伝言
  3. 僕→調停委員:主張を伝える
  4. 調停委員→妻の両親:僕の主張を伝言
  5. 妻の両親→調停委員:主張を伝える
  6. 調停委員→僕:先方の主張を伝言

それぞれが2回ほど調停委員と会話してその日は終了です。解決しなければ、お互い持ち帰って次回へ持ち越しとなります。

僕は妻の両親と全く顔を合わせることなく話し合いを進めることができたので、これはいい制度だなぁと思いました。

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1回目の調停

指定された時間に裁判所に行き、待ち合い室で待っていると、僕の名前を呼ばれました。

そして部屋を移動し、はじめて調停委員と対面しました。調停委員は男女1名ずつで構成されており、僕の案件は2人とも60代ぐらいの方でした。

調停委員は妻の両親から既に話を聞いた後であり、妻の母親が涙を浮かべながら「僕と家族のように仲良くなりたかった」とか「もっと孫と遊びたい」とか、そういうことを言っていたようです。しかし、僕はもともとの作戦通りで、「近づきたいならそれ相応の対応があったんじゃないか。墓を分けるなどうちと距離を置こうとしているとしか思えない。僕の親をバカにするようなことを言う人と関わりたいわけないじゃないですか。」ということを伝えました。

調停委員がこれをどのように妻の両親に伝えたのかは分かりませんが、向こうは僕が言ったことに対しては特に意見なく、「どうか会わせてくれ」の一点張りでした。

調停委員も、妻の母親の涙にやられたのか「なんとか会わせてやってくれないか」と僕を説得するモードになっていたようでした。

でも僕は折れませんでした。

「結局、僕と仲良くなりたいんじゃなくて、僕の娘と仲良くなりたいだけにしか思えないんですよね。娘が遊びたいと言い出したら協力しますが、娘がまだそんなこともできない現時点では、僕が「妻の両親に娘と会わせてあげたい」と思うような、態度や対応をするべきですよね。会いたい会いたいってただ言われても、僕が彼らに会いたくないのだから難しいですね。」

調停委員は困った表情をしていましたが、「どうしたら会えるかを考えてみてくれ」と言われて、この日は終了しました。

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2回目の調停

2回目は1ヶ月後ぐらいに行われました。

特に何もアイデア持たず、再び裁判所に向かい、調停委員から「何か気持ちは変わりましたか?」と問われました。

僕は「いいえ、まったく変わりません」と答えました。

調停委員は「それじゃあ埒が明かないから、なんとか考え直してみてくれないか?」と言ってきたので、僕は「会わせることは別に義務じゃないんですよね?それなら、会わせたくないですよ。お菓子とかばっかり食べさせられても嫌ですし。」と伝えました。

妻の両親は相変わらず「会わせてくれ」の一点張りです。お墓を分けたことの理由として、距離が遠いということを言っていたようですが、車で小一時間を遠いと言うのは、うちと距離を置きたいと考えているようにしか思えませんでした。

この日もほとんど進展なく終了しました。

調停委員が明らかに向こう寄りなのがちょっと腹立ちましたが、まぁ第三者が見るとそうなのかなぁと思いつつ、僕の気持ちは変わりませんでした。

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3回目の調停

3回目も2回目から1ヶ月後ぐらいに行われました。

3回目は調停委員からナイスな提案がありました。

「もしも君と妻の両親が接触することなく子供を会わせることができたら、それはOKか?」というものでした。「離婚した夫婦が、子供を面会させる時にお互い顔を合わせたくないから、といった理由で利用する支援センターがある。それを利用すれば君は妻の両親に会わなくて済む。」とのことです。

僕はちょっと考えてみて、「会わせる頻度にもよるが、それなら悪くないかもしれない」と答えました。

調停委員が僕の回答を妻の両親に伝えると、向こうも「それを利用して良い」ということになり、話が一気に解決に進みました。会う頻度については、2ヶ月に一度が向こうの希望でしたが、調停委員からは「それは君が思うように答えればいい」ということだったので、半年に一度にしてもらうことにしました。

この支援センターを利用するには、双方に費用が発生するとのことでしたが、その費用は全て妻の両親が支払うということに決まりました。

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ひとまず解決

突然の裁判所からの呼び出しにはドキドキしましたが、調停委員は別に怖い方ではなく、言いたいことを言える気さくなおじ様とおば様で、何も構える必要がありませんでした。

この調停で決まったことは今も続いており、お互い文句言うことなく何とか健康的に過ごしています。

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